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アニスタVol.2 リクルートデー
リクルートデーレポート

2019年11月2日(土)~12月8日(日)の約1ヶ月に渡って、WIT STUDIOが中心となって開催されたリアルイベント『アニメスタジオミーティングVol.2(アニスタVol.2)』が行われました。12月7日(土)はリクルートデーとして参加各社が会社説明会とブースでの企業説明や個別面談を開催。

まずは、WIT STUDIOの代表取締役・和田丈嗣氏が登壇。会場に詰めかけたアニメ業界を目指す就活生たちに向け、基調講演&OPトークを行った。そこで語られたのは、アニメ業界を目指す学生たちに「今日説明会を実施する4社の話を聞き、4社にとどまらず他の制作会社とも比較検討する材料として、これからの就職活動に活かしてほしい」という思いだった。

続いて、このイベントに参加したWIT STUDIO、CloverWorks、MAPPA、コミックス・ウェーブ・フィルムの4社の代表による会社説明会が行われていく。

【WIT STUDIO】
WIT STUDIOの会社説明会では、OPトークを務めた和田氏に加え、同社の取締役・アニメーター・作画チーフの浅野恭司氏、原画・作画監督の手塚響平氏、茨城スタジオ制作長の山田健太氏が登壇し、これまでにWIT STUDIOが制作してきた作品を紹介していった。
同社では昨年から子供向けアニメの制作にも力を入れている理由として、WIT STUDIO内で子供向けアニメ、大人向けのハイクオリティアニメ、劇場版など様々な映像を制作できる構造を確立するための準備だと説明。
また、制作志望、クリエイター志望それぞれの学生のために、山田氏からは制作の仕事について、浅野氏・手塚氏からはクリエイターの仕事についての説明がなされた。特に、クリエイター部門では、制作過程が洗練されていく中、各工程に求められる技術もより専門的に変化していった。今では動画が原画の入り口として必ずしも機能しておらず、長く従事しても以前と同じ技術の習得は難しい現状がある。入り口をはっきり分けてそれぞれのフォローを厚くしようと考えている。同社では原画職、動画職を分けて募集しているため、クリエイターを志望する学生には、動画と原画、どちらをやりたいのかをよく考えてキャリアプランを決めてほしいと告げた。

【CloverWorks】
CloverWorksの会社説明会に登壇したのは、代表取締役 執行役員社長の清水暁氏、執行役員・制作部 部長・クリエイティブ事業部 部長の福島祐一氏、制作部 プロデューサーの木田和哉氏、そして制作部 制作進行の成田真一郎氏、加藤穂乃伽氏、角田宗大氏だ。
まず行われたのは職場環境の説明。制作部、マーケティング部、クリエィティブ事業部など、内製化できる部門についてはできる限り設立している。また、同社ではアニメ制作会社には珍しく、人事ルームを設けていることも特徴の一つである。
昨年の10月にA-1 Picturesから分社化したCloverWorksは、各プロデューサーがA-1 Pictures時代に制作した作品の経験を活かし、様々なジャンルの作品を制作している。また、まだ若い会社ながら『空の青さを知る人よ』のようなオリジナル作品をコンスタントに世に送り出していきたいと話した。
同社のキャリアパスでは、制作進行からプロデューサーや脚本、演出、監督、など様々なキャリアにつながるケースが多い。加藤氏は脚本として、角田氏はプロデューサーとして今後のキャリアプランを考えていることを例に挙げ、様々なキャリアを実現できるチャンスがある。清水氏は、ぜひ夢と野望を持って入社してほしいと来場した就活生にエールを送った。

【MAPPA】
3番目はMAPPAによる会社説明会。同社の制作部長・野田楓子氏、制作部・瀬下恵介氏、CGI部長・淡輪雄介氏、仙台スタジオ所長・大井川亮氏、企画部長の木村誠氏の5名が登壇し、様々な面からアニメ制作について解説していった。
同社では企画から販売までを社内の各部署で担っているほか、CGI部を持つことが特徴だ。CGI部は3DCG・美術・仕上げ・撮影・編集・デザインの6部門で構成され、デジタルワークス全般を担っている。作品毎に監督陣と意見を交わし、作品全体のより正確なイメージを制作部などに伝え、現場と監督の意図に差が生じにくい環境を整えている。このように社内の風通しはよく、内部スタッフ間での意識の共有がしっかりと行えていることが、MAPPA作品を生み出す力の根底にあるという。
同社からはこれからアニメ業界を目指す人に向けて、自分が目指すビジョンを持ち必要なものを吸収していくこと、自分が作り手として楽しめることが大切だと告げた。また、アニメ業界にとどまらずあらゆる業界にも目を向け、自分の引き出しを増やしてほしい。入社後は将来なりたい自分を想像しながら日々の業務にあたってほしいと告げた。
そして最後に、「MAPPAに限らず、まずは業界に飛び込んでほしい。そして一緒に面白い作品を作り上げていこう」と伝え終了した。

【コミックス・ウェーブ・フィルム】
最後の会社説明会はコミックス・ウェーブ・フィルムが担当。広報の中辻健太郎氏、制作進行の井藤百氏と神脇結氏が登壇した。
コミックス・ウェーブ・フィルムでは、劇場版アニメの制作を中心に、作品の配給、パッケージの販売、海外セールス、版権管理まで、制作した作品にかかわる業務を一貫して行っていることを解説。「心ある作家とともに、心に残る作品を世界中の人々に届ける」という思いやりの理念のもと、今年公開された『天気の子』や前作『君の名は。』に代表される新海誠監督、「この男。」シリーズの山本蒼美監督など作家のマネジメントも担っているという。
次に、実際のアニメ制作現場風景の写真や社員のインタビューを紹介。明るく広いスペースで、アニメーターらがゆったりと作業できる環境を作っていることや、ベテラン社員による研修を積極的に取り入れ新入社員へのフォロー体制が整っていることをアピールした。さらに、スタッフたちが週に1度プロの鍼灸師によるマッサージを受けられることや、部活動が盛んなことなど、会社からの社員への“思いやり”も紹介された。

【4社代表P座談会】
この日最後に行われた4社代表P座談会では、司会の和田丈嗣氏(WIT STUDIO)が前座としても登壇。会場に居合わせたCloverWorksの福島祐一氏を巻き込み、来場者からの疑問に答えていった。
各社の代表としてWIT STUDIO取締役の中武哲也氏、MAPPA代表取締役の大塚学氏、CloverWorks代表取締役 執行役員社長の清水暁氏、コミックス・ウェーブ・フィルム代表取締役の川口典孝氏の4人が登壇。「アニメーション業界が抱える課題」と「各社のキャリアプラン」について、登壇者間で意見が交わされた。 その中で、川口氏は業界の労働環境について「どんどん改善されてきている」とコメント。ほかの登壇者も川口氏の意見に頷き、制作進行の業務量の削減や社員への登用制度の拡充など、それぞれの会社の取り組みについて紹介した。
また、これからアニメ業界を目指す人たちに向けて、中武氏からは「アニメ業界は頑張った分だけ報われる。労働環境も、アニメが一人では作れないように皆で作り変えていこう」とメッセージが送られた。続いて清水氏からは「世界で通用する“日本のアニメーション”をブランドとして確立したい。そのためには若い力が必要だ。どの会社でもいいから門を叩いて業界に飛び込んでほしい」と業界全体を盛り上げたいという思いが語られた。さらに、大塚氏からは「MAPPAをよりよい会社に変えていくために、新卒の皆さんに力を貸してほしい。労働環境含め会社を一緒に作り変えていこう」、川口氏からは「人生は一度きり。アニメ制作に限らず、好きなことに挑戦してほしい」と、それぞれの思いが語られた。
最後に、司会の和田氏から「今回登壇した4名は、労働環境含め様々なことを話し合っている。そして、皆さんからの改善要望などを待っているので、安心してアニメ業界に入ってほしい。将来現場で会えることを楽しみにしている」と語り、締めくくった。

【さいごに】
トークイベントが行われていた間も、会場の横に設けられた企業ブースでは個別面談が並行して行われ、来場者たちは各スタジオについて、より詳しい説明を受けることができた。 アニメ業界の最前線に立つスタジオ4社について、そして業界全体の実情について、現場を知るクリエイターたちから直に話を聞ける貴重な機会とあって、各社の個別面談スペースには人が絶えなかった。アニメ業界を目指す就活生にとって、自身の今後を考える上でも貴重な1日となったことだろう。