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アニスタVol.2 ミーティングデー
4社合同ステージ 各社代表P座談会

“スタジオ”と“ファン”と“未来の作り手”をつなぐ、アニメファン感謝イベント&リクルートイベント「アニメスタジオミーティング」、通称「アニスタ」。第2回となる今回は、東京・飯田橋のDNPプラザにて11月2日(土)〜12月8日(日)まで展示会を実施し、会期ラスト2日となる12月7日(土)&8日(日)には、制作スタッフやクリエイターにスポットを当てたトークイベントが開催された。そのレポートが到着した。

イベントの一つである『参加各社代表座談会』には、WIT STUDIO取締役・中武哲也氏、CloverWorks執行役員・福島祐一氏、MAPPA代表取締役・大塚学氏、コミックス・ウェーブ・フィルム代表取締役・川口典孝氏が登壇。WIT STUDIO代表取締役・和田丈嗣氏の司会でトークがスタートした。

最初のトークテーマは「2019年のアニメ業界でのニュース」について。
ここで和田氏は京都アニメーションで起きた事件にふれ、「とても痛ましく二度と繰り返してはならないこと」とコメント。また、川口氏も事件直後に京アニのOGの方たちと会い、「我々は作品を作ることしかできない。頑張ろう」と語り合ったことを回想した。
その後、各社の今年の成果を順に報告してもらうと、話題は独占配信されるオリジナルアニメが増えたことに及んだ。
この流れについて大塚氏は「増えているという感覚はすごいあります。ただ、うちは一つのクライアントに偏ることがないように意識している」と自社の姿勢を解説。福島氏もその姿勢に同意し、「どこと組んで何をやるかは、スタジオ側が二人三脚を組める相手として選んでいくようになってきていると思います。その中にNetflixなどの配信会社も入ってきているのだなという感覚はあります」と語った。

また、和田氏から「テレビアニメの本数が減ったように思うが、来年以降、テレビアニメの本数はどうなっていくのか?」という問いが投げられると、大塚氏は「アニメを作りたいお金を持っている人はさらに増えるのではないかと思っている。うちは今年と変わらない本数になると思います」と回答。また、中武氏は「ハイクオリティー系のアニメを制作できる限界が見えてきた。うちはスタッフ育成のための作品も視野に入れてバランスを取りたい」とコメント。福島氏は「テレビシリーズも定期的にやっていきたい。うちは名前が変わって1年目でしたが、今年は劇場アニメを3本も公開することができた。来年もテレビも劇場もやるというスタンスを続けていきたい」と語った。
そんな中で、川口氏は中国や台湾のアニメの台頭について言及。中国の劇場版アニメの『羅小黒戦記』を観て、「日本がやっていないことをやってきた。いよいよきたなと感じた」という。この作品を「お金の力ではなく、愛の力で作っている」と評した上で、中国の資本で日本のスタジオが作品を作る機会も増えると思うと語った。

次に「各スタジオの注目ニュース」にテーマが移ると、大塚氏、福島氏、中武氏が自社の体制の変化について解説していった。さらに、福島氏が来年からプロデューサーとなる梅原翔太氏を壇上に呼び、彼にこの場で決意表明を語ってもらう一幕も。

その後、登壇者たちが事前に寄せられた質問に回答していくコーナーが実施されていった。
その中で「クオリティーの高い作品を作るのに大事な要素とは?」という問いに、中武氏は「チームワークだと思います」と回答。福島氏は「スタッフたちが一生懸命になれる作品や環境を用意すること」、大塚氏は「トップクリエイターばかりを集めてもクオリティーの高いものになるとは限らない。やはり作品に対する“愛”が大切」と語った。また、川口氏は「今はみんな忙しすぎる。業界全体の制作本数が半分になり、その代わり制作費が倍になれば各作品のクオリティーは上がると思う」とコメント。代表者それぞれの考えがうかがえる場面となった。

そして最後に登壇者たちが、それぞれのスタジオのこれからの抱負を述べ、来場者たちへお礼を伝えていく。すると、会場には大きな拍手が鳴り響き、拍手に送られながら登壇者たちは退場していった。
ここで司会の和田氏が「このイベントのおかげで僕らも新しい取り組みをできている」とコメント。改めて感謝の意を告げ、第2回の「アニスタ」は大盛況のうちに幕を閉じた。